退院後、病気に対する考え方が変わりつつある件③
私が秋田大学医学部附属病院を退院した9月17日から「出稼ぎ先」の山梨県甲府市に移動するまでの約2週間、私は自分にとっての「太陽系最高の快適空間」である「愛する我が故郷・秋田県大曲」の自宅で家族と共に自宅療養生活を送りました。
この約2週間の自宅療養生活では、ほぼ毎日決まった時間に起きて家族で朝食を摂り、子ども達を学校に送り出し、日中は近所にある私の実家を愛犬・OREOと共に訪れ仏壇の前で祖父母に手を合わせ、両親とコーヒーを飲み…。
家族と一緒に暮らしていた頃でも、私は平日の夜に家族揃って夕食を摂ることは殆どできませんでした。でも、この自宅療養期間には「平日の夜に家族揃って夕食を摂る」という、世間一般ではごく当たり前の風景が我が家にも普通に見られるようになっていました。
「あぁ、これが普通の家庭の風景なんだろうなぁ」
そんな印象を強烈に持ったんですよね。少なくとも、私が高校卒業まで過ごした実家では「平日に家族揃って夕食を摂る」ということが普通の風景でした。
こうして、退院から職場復帰までの約2週間を自宅で家族と共に過ごしたということも、実は「治療の一部」でもあったのかなとは思うんですよ。
そんな中で、9月25日に今後治療を続けることになる甲府市内の病院の主治医から、私が向き合う病「悪性リンパ腫」(タイプ的には「濾胞性リンパ腫」)についての説明を改めて受け、そして移動の新幹線の車中で「がん患者と余命」に関する本を読み、自分の気持ちの整理がついたような気がするんですよね。
「濾胞性リンパ腫」というタイプは、悪性度は低く、病気の進行も年単位なんです。自分自身がそうであったように、自覚症状も殆どないんです。
しかし、強く叩いても治療効果が得られる類の病気でもないことから、「完治」はしにくいという一面も持っているんです。そして、一旦小さくなった腫瘍がまたぶり返す、いわゆる「再発」のリスクもゼロではないそうで…。
こうした様々な「情報」を自分なりに整理した結果、私は「病気の治療に前向きに取り組む」というよりも「生きることそのものに前向きになるためにはどうしたらいいのか」を本気で考えるようになったんですよね。
「この病気にかかった事実は覆らないし、まだまだ再発リスクも残されている。だったら自分の残りの人生、どうやったら前向きに楽しく歩んで行けるんだろうか」
って。
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