おじいちゃんに会いに行ったおばあちゃん
「カイシャ」では東京本社から執行役員とかいう肩書の何のオーラもないお偉いさんを迎えての会議があった今日、夕方はそのまま会食がありました。
その会食を私は中座して、帰路に就かなければならない事情が発生。
96年間の生涯を数時間前に終えた秋田の実家のおばあちゃんを想いながらなんとなくトマコマイの空を見上げてみました。「トマコマイらしい天気」と言えばそんな天気。「涙雨」でしょうか。
今から20年前、肺癌で入院していた85歳のおじいちゃんを看病していたおばあちゃんは当時76歳でした。
末期の肺癌の痛みから錯乱状態になっているおじいちゃんに対して、笑顔で「愛してる」などという言葉をかけていたおばあちゃんは、その「最愛の夫」が息を引き取った瞬間「ワァーッ」と声を出して泣いていました。
「本当におじいちゃんのことを愛していたんだなぁ」
そんなことを感じたのを憶えてます。
あれから約20年間、「最愛の夫」なしでよく頑張ったなぁ。
昨年12月に私がお見舞いに行った時は、誰がお見舞いに来てくれた時よりも嬉しそうだったそうで。その時、おばあちゃんとこんな会話したなぁ。
「おじいちゃんに似てきたな」
「オレのほうがイイ男だよ」
おばあちゃんは笑ってました。
いつ「Xデー」が来てもおかしくない状態だったのに今日まで頑張ってくれたのは、「プロのリング」に立つ「孫の晴れ舞台」を邪魔しちゃいけないというおばあちゃんの優しさだったのかもなぁ。
私が高校卒業迄の18年間、一緒に暮らしたおばあちゃんがいなくなってしまったのは悲しいけど、「享年97歳」なら大往生。
20年振りに「最愛の夫」に会うために、さっき旅立ったおばあちゃんを笑顔で送り出してあげなきゃ。
「これからまたおじいちゃんと一緒になれる。良かったね」
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